自閉症のゲノム変化は

講演会で配布された抄録。
詳細は前回のプログラムを参照してください。
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講演Ⅱ要旨

自閉症の発症に遺伝的素因が大きく影響することは40年前から指摘されてきました。遺伝的素因、つまり持って生まれた自閉症になりやすい、あるいはなりにくい要因とは何でしょうか? それは各人が持つ遺伝情報の中にあります。2003年に完了したヒトゲノム計画により遺伝情報の本態であるヒトゲノムが解読されました。ヒトゲノムは一人のヒトが持つ30000個程度の遺伝子を1セットと見なした呼び名であり、遺伝情報はヒトゲノムに暗号として保存されています。遺伝情報のほとんどは全てのヒトに共通しています。しかし人それぞれにごくわずかな違いがあり、これが個性を生み出します。様々な病気のなりやすさ(疾患感受性)もこの個性の一部です。そして2000年以降はゲノム解析技術が急速に進歩し、自閉症のヒトとそうでないヒトの遺伝情報を詳しく比べてみることが可能になりました。その結果、自閉症のヒトのみに見つかる遺伝情報の違いがだいぶ分かってきました。本講演では細かなゲノム変化の学術的な説明は極力避けて、ゲノム研究の進展により科学者や医者が自閉症をどのように理解しているのかをお伝えしようと思います。